令和7年度湖南地区職業対策連絡協議会と4市企業人権(同和)教育推進協議会との交流研修会

日時

2026年2月5日(木)

場所

草津アミカホール 研修室・文化教室

講演

テーマ 「外国人労働者の雇用と人権」

講師

上田 修三 さん
大阪企業人権協議会 講師

目次

講演概要

①在留外国人に関する基本知識

  • 在留外国人の概況
    • 少子高齢化の進行による労働力の補完、企業のグローバル化等による外国人雇用の拡大に伴い、日本で生活する外国人が増加している。そうした中で、外国人の人権問題は、外国人労働者の問題に加えて、生活地域社会で共生する外国人市民問題へと変容してきた。
  • 数字に見る在留外国人
    • 在留外国人396万人(全人口の3.2%)外国人労働者257万人(全就業者の3.7%)
    • ネパール、インドネシア、ミャンマー、スリランカがここ最近急速に増加している。
    • 日本のあらゆる産業に外国人労働者が寄与している。大都市、工業地帯にたくさん来ている。
    • 滋賀県は人口比約3%である。出入国管理庁が2025年に初めて不法在留者の数を公表した。74,863人
    • 不法在留は不法行為ではない。行政上の不法行為である。
    • 外国人の在留資格として、①身分又は地位に基づく在留資格(特別永住者を含む永住者) ②活動に基づく永住資格 就労を認められている在留資格(24業種) 就労を認められていない在留資格(文化活動、短期滞在(観光客)、留学・研修)、家族滞在

②外国人の雇用と人権

  • 外国人の人権保障 世界3大差別は「人種差別」「性差別」「年齢差別」である。
    • 世界人権宣言自由権規約、人種差別撤廃条約がある。
  • 内外人名平等の原則
    • 公的領域
      • 現在は先進国を中心に外国人に自国民と同じ権利保障を法的にすることが一般的になってきている。日本は公的領域全てにわたっては、内外人平等とはなっていない。そのため他国との比較の中で外国人の人権問題として社会問題にるなることもある。
    • 民間領域
      • 外国人労働者には労働関係法令及び社会保険関係法令が守られていない等の労働問題が数多く起こっている。
  • 国際行動規範
    • ビジネスと人権に関する指導原則
    • 原則を活用した外国人労働者の権利擁護の取組として多国籍企業と人権との関係についてのつの柱がある。
      1. 企業を含む第3者による人権侵害から保護する国家の責務
      2. 人権を尊重する企業の責任
      3. 救済へのアクセス 企業に次の行為を求める。「自らの活動を通じて人権に負の影響を引き起こしたり、助長することを回避し、そのような影響が生じた場合はこれに対処する。」「たとえその影響を助長しない場合であっても、取引関係によって企業の事業、製品またぱサービスと直接つながっている人権への負の影響を防止または軽減するように努める。

③雇用ルールと労務管理

  • 外国人雇用状況の届出
  • 募集・採用について
    • 採用しようとしている外国人労働者に従事させる予定の業務が、在留資格上、従事できるかの確認
  • 外国人労働者の労働条件等について
    1. 労働者の国籍を理由として、労働条件の差別的扱いをしていないか。
    2. 賃金や労働時間等の労働条件につていて、内容を明らかにした書面等を交付しているか。モデル様式の活用および母国語や平易な日本語での説明により、外国人労働者が理解できるように努めているか。
    3. 時間外・休日労働の上限規制の遵守やタイムカード等の客観的方法による時間の把握、および年次有給休暇の付与等、適正な労働時間の管理を行っているか。
    4. 事業主が外国人のも旅券や在留カードを保管していないか。
  • 外国人労働者の安全衛生の確保につていて
    1. 外国人労働者が理解できる方法により、安全衛生教育を実施しているか。
    2. 女性である外国人労働者に対して、母性保護に関する措置(産前および産後休業)を講じているか。
  • 労働保険・社会保険について
    • 外国人労働者に対して、労働保険・社会保険に関しての説明をするとともに、被保険者に該当する外国人労働者にかかる適用手続きを行っているか。また、給付の請求等に係る援助を行っているか。
  • 人事管理・生活支援等について
    1. 社内規程の多言語化など円滑なコミュニケーションの前提となる環境整備に努めているか。
    2. 評価・賃金決定、配置等の人事管理に関する運用の透明性・公正性を確保しているか。
    3. 外国人労働者が地域社会での行事や活動に参加する機会を設けるよう努めているか。行政機関・医療機関・金融機関等に関する情報提供等、安心して日常生活を営むための支援を実施しているか。
  • 雇用労務責任者の選任について
    • 外国人労働者を常時10人以上雇用した時は、人事課長等を雇用労務責任者として選任しているか。
  • 在留資格に応じた措置について
    1. 「特定技能」の外国人を雇用する場合、必要な支援・届出を実施しているか。また、就労が認められた特定産業分野や業務区分の範囲内で就労させているか。
    2. 技能実習生を雇用している場合、「技能実施(有)の適正な実施、および技能実習生の保護に関する基本方針」等を踏まえ、実効ある技能等の習得が図られるよう取り組んでいるか。
    3. 外国人留学生をアルバイトとして雇用している場合、当該外国人留学生が資格外活動の許可を得ていることを確認したか。また、長期休暇の扱いを除いて、他事業所の就労を含て原則週28時間以内の就労としているか。
    4. 外国人との協働・共生
  • 現存する社会の差別・不適切事例 家探し、仕事探し、差別的な言葉
  • 外国人労働者への配慮に欠ける不適切言動や職場運営の事例と対応
    • 外国人の存在を無視したり、人権配慮に欠ける職場運営
  • 歴史的・文化的・身体的等の事柄を揶揄、侮辱の対象とする。
  • 仕事の成功やミス、考え方の違いを外国人に結び付けて評価する。
    • 外国人に対する差別・人権侵害の背景
  • 「ステレオタイプ」について。日本社会には外国人に対する思い込み(ステレオタイプ)や偏見が根強くあり
    • トラブル・人権問題の発生の大きな原因となっている部分がある。
  • レイシャルハラスメントとマイクロアグレッション
    1. レイシャルハラスメント
      • 特定の人種、民族、国籍にかかる属性。組織内、顧客には日本国籍を持つ日本人しかいないことを前提として、会話、事業、組織運営が行われる。
    2. マイクロアグレッション
      • 小さな攻撃、自覚ない差別 無意識の思い込みが潜んでいる。
  • 日本人社員も外国籍社員も「職場でのミスコミュニケーションを考える。」
    • 仕事に関する文化・習慣の違いから生じるミスコミュニケーション
    • 業務の指示や受け答えで生じるミスコミュニケーション
    • 評価やフィードバックで生じるミスコミュニケーション
    • 配属やキャリアの視点で生じるミスコミュニケーション
    • その他文化・価値観の違いから生じるミスコミュニケーション

分散会の実施

 講演終了後、4つの分科会に分かれて講演内容についての参加者の意見を聞くため分散会を実施した。

 野洲市は4分科会を担当 

分散会

  • 自己紹介
  • 「外人」という言葉のニュアンスについてどう思うか。
    • プロ野球では「外人助っ人」とよく言われるが、他のスポーツではあまり言われない。
    • プロ野球は歴史も長く、戦前からつながっている。過去からの歴史の中で外国人に対する偏見の中で醸成された表現である。特に中高年層がよく使うものであり、若い人たちはそのような意識はない。
  • 小学校では「外国人生徒」とは言わずに「外国籍生徒」と呼ぶ。名前はカタカナで読んでいる。外国では9月が新学期であり、夏休みが過ぎて外国籍の生徒が入ってくるが、最初はみんなぎこちないが、卒業するころには「関西弁」がうまくなって卒業していく。子どたちのコミュニケーションはすばらしいものがある。笑顔が大事ではないか。
  • ステレオタイプとマイクロアグレッションに関して、フィリピン人で国際的な介護資格を取得した人がいる。一生懸命働いている。ポストも上昇してきている。外国人なのに出世するなんてすごいなあ。という考えも無意識の思い込みがあったことに気づいた。
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